越智です。
たまにはコーヒーには関係ない話題を。
今から10数年前、ある経営者の先輩から「越智くん、経営者になるんだったら寅さんは観ておいたほうがいいよ。」と言われたのをきっかけに寅さんに熱狂してしまい、東京出張の折に時間があれば葛飾柴又を訪れるまでになってしまいました。
破天荒だけど、優しくて人間味のある寅さん、それをなぜか放っておけない近所の方々や寅さんの家族。
『男はつらいよ』シリーズの魅力はもう語り尽くせず沢山あるけれど、僕達が育った昔の日本の家族や近所付き合いのあり方、今はない部類のお店や身の回りの道具、整備されていない土の道や河川の風景…古き良き日本を感じさせてくれるのも惹かれる魅力です。
もう48作を何度となく観ていますが、観るうちに山田洋次監督が一番撮りたかったものは家族のあり方や人情もあると思いますが、実は日本の美しい風景なのではないかと思ってしまうのです。それくらい素晴らしい描写がされていると感じます。
便利になり、河川もコンクリートで綺麗に護岸されていくにつれ、山田監督はきっと落胆したに違いないと思うのです。
便利になるのはいい事もあるのだけれど…(僕も今やオンデマンド配信で寅さんを観ている!)
小さい頃、親がなんとなく観ていて大笑いしていた寅さん、その当時はワンパターンで何が面白いのかあまりわからなかった僕が、今はそのいい意味でワンパターンがいかに凄いのかを感じるように。
「寅さんそろそろ帰って来るよ、、ほら帰ってきた!」(うちの母親が言っていましたね)
観る方もそれを期待している凄さ。マニアックですが。
僕の好きなブルースもたった3コードで何十年、人々を魅了し続けています。テクニカルなことはしないし、同じところばかり弾いているし。
観客も「あのフレーズ来た!」と思いながら聴いている。
色々な価値観や情報が溢れかえる中、これは凄いことだ!と最近特に思うのです。
渥美清とブルース。
15th Jan 2017 am11:00