BRANCH COFFEE|ブランチコーヒー

JOURNAL

20260401-20260403 NICARAGUA TRIP

グアテマラの隣の隣の国であるニカラグアはホンジュラスとコスタリカと国境を接し、中米では最も面積の広い土地を有するコーヒー生産国。グアテマラから数時間のフライトで首都のマナグアへ到着した。マナグアから車で北へ北へ4時間ほど移動する。目指すはホンジュラスとの国境に近いヌエバ・セゴビア県オコタルの町。両サイドはのどかな田園風景が広がる一本道をひたすら進む。3時間ほどしてエステリの町が見えるとオコタルまではあと少し。道は良いが、ラダーフレームのピックアップトラックに4時間乗っていると流石におしりが痛い。

 

オコタルのいつもの宿に無事到着すると、ホテルのいつものご飯を食べる。だいたいお肉を食べるか、エビのフリットを食べるかだけど、今回はコルドンブルー(チキンのハム・チーズ挟み)を注文。美味しかった。ホテルの部屋に入ると、大きな虫たちがブンブン、ヤモリも数匹発見!我慢するか⋯いや、やっぱり寝られないな⋯迷ったあげく部屋を変えてもらうことに。ホッと一安心したも束の間、バスルームに大きなバッタが侵入しておりしばし格闘したが、無事逃がすことに成功した。と、前置きはさておき。一夜明け、農園を訪問すれば疲れも忘れるというもの。今回再び訪れた農園はBRANCH COFFEEでファンの多い ウン・レガロ・デ・ディオス 農園[神からの贈り物の意]。COEでも優勝している名門農園で特にパカマラ種の出来が素晴らしく毎年楽しみにしている。

 

町中の乾いた場所から険しい山道へ車を進めていると、ふと湿気を感じた。窓の外を見ると何本もの自然の川が流れ、道の枯れ草も濃い色合いに変化すると同時に真っ赤なコーヒーチェリーが目に入る。何度訪れても素晴らしい農園である。オーナーのルイスさんJr(写真2枚目)は常に木々1本にまで気を配り、農園のマネージャー(写真3枚目・腕っぷしが良い!)と共に隅々まで管理をしているのがわかる。この時は「カットバック(コーヒーの木の剪定)」について説明してくれた。オールドの木をカットし、元気な枝を2本だけ残して後の枝は落とすとのこと。少し枝落としを手伝ってみた。根気のいる作業だ。運良くウェットミルのプロセシング(水洗式・ウォッシュトプロセス)を見ることができた。完熟チェリーをセパレーターへかけて、比重の重いチェリーのみをパルパー(チェリーを剥くマシン)にかける。少量ずつコツコツと丁寧に。マシンには頼るが、ここも人の手による作業が多い。マシンもピカピカに磨き上げられている。やっぱり何事も基本は掃除なんだと思う。

 

農園視察を終えて、農園でランチタイム。ウン・レガロ・デ・ディオスのパカマラを用意してくださり、なんと僕が代表してドリップすることに。農園で飲むコーヒーはいつも最高で、「コーヒー屋をやってきて本当に良かった⋯。」と思う瞬間である。我ながらなかなか上手く淹れれたかな⋯。手作りのパニーニも最高に美味しかった!翌日は朝からラボでカッピング。ルイスさん親子の性格がよく表れている整然かつ無駄一つないラボで、水滴一つないし、水滴が落ちたらサッと拭き取るほどだ。毎回背筋が伸びる想いでカップさせていただいている。速報としては、昨年よりはるかに良い出来なので期待して欲しい。為替含め相場はキツイが、できるだけ買う!と決めている。夕方、まだ日が長いのでドライミルを視察させてもらう。この時はナチュラルのチェリーを多くプロセスしていた。UVを防ぐ屋根は通気性もあり、ドライミルを吹き抜ける心地よい風でゆらゆら波を打っている。均一に乾燥されるに違いなく、この時点で最高品質を確信してしまうくらいである。アフリカンベッドにこうして整然と干されるチェリーの香りは最高。上質なワインを彷彿とさせる香りである。小ロットのテストロットはパティオにも干されるが、パティオのシートの下は木くずが敷き詰められ、均一な乾燥に寄与している。木くずは毎年すべて入れ替えているとのこと。

 

僕の手の画像でこのレポートは終わってしまうけれど、ここまでに農家さんの「手」つまり「手間」が莫大にかかっているコーヒーチェリーはいつも一粒一粒輝いている。1杯のコーヒーには数十粒のコーヒーチェリーを用いるが、ときどき生産地からコーヒーカップに至るまでのことに想いを馳せてみては⋯。きっと特別な1杯になること間違いありません。それはクリーンなコーヒーであり、爽やかなコーヒーであり、心地よい甘さでフィニッシュするコーヒーであり(コーヒーチェリーは甘いですからね!)、日保ちのするコーヒーであることは最低条件。言うまでもなく、僕にできることは一釜入魂と一スプーン入魂。つまり焙煎と検証のみである。