求めよさらば。
飲みものを、どこの、どの器で飲むかはわりと重要だ。コーヒーについては、仕事中に3-4杯、何度もラフに飲むため、市販のマグカップなどで飲んでいるけれど、仕事を終え食事も終えた一服のお茶の時間は、このところ自己流だけど台湾茶を嗜むことにしている。
すっかり台湾茶にハマってしまい、形もととのえようということで訪れた古道具屋にて、よくわからず買ってみた中国茶器で飲むといつもより美味しく感じられてからというもの、古道具屋や骨董屋で気に入った茶器を探すことにもハマってしまった。日本人だから日本の湯呑みやぐい呑あるいは蕎麦猪口のようなもので飲んでみようと、小さめの器を中心に買ったり探していると行きつけのお店もできたりして、ご主人が色々と教えてくれるようになってきた。
そんなある日。わが愛媛の砥部焼には、その昔[淡黃磁(たんおうじ)]と呼ばれる磁器が短い期間ではあるけれど製作されていたと、小さな淡黄磁のお皿を見せてくれた。白ともアイボリーとも言えない色味で、手に取ると象牙のような樹脂のような不思議な質感があり、これは口当たりも素晴らしいに違いない、このような質感の茶器があれば買って飲んでみたいと。そのようなお話をした後、しばらくして訪問した際、「倉庫にありました。」「そちらいただいてもいいですか。」
そうしたことで、毎日愛用中の淡黄磁はデザインも質感も素晴らしい。お茶の時間が待ち遠しくなる茶器を手に入れることができた。ご主人曰く「この手のものは本当に求めている人の元へ行くんです。」なんとなく毎日想いながら、求めながら動き回っていたのが良かったのか、結果的に引き寄せてしまった。そういえば、「買い求める」という言葉もあり、思わず意味を考えてしまった。
ではでは、良い週末を。
▓ 愛媛民藝館 [ただいま淡黄磁展開催中]