BRANCH COFFEE|ブランチコーヒー

JOURNAL

BGMの憂鬱。

趣味にまつわるお話。

幼い頃から、家のレコードプレイヤーで昭和歌謡曲を聴いて育ち、中学になるとバンドブーム、高校でブルースに目覚め、大学になるとバイト代のほとんどをレコードやCDの購入に費やしてきた。(今はいい時代だ。サブスクで聴き放題、僕の4年間のバイト代よ!)ジャンルは自分で言うのもあれなのだが、いわゆる雑食で守備範囲はわりと広く楽しめるほうだと思っている。今でも趣味として、毎晩何らかのレコードをかけては悦に入っている。しかし、これが一歩家の外に出たバックグラウンドミュージックになると「楽しいが厄介」な時も。

訪れる先々で初見のサウナへ行くのも旅や出張の醍醐味のひとつとして、もはや趣味の域まで到達した感がある。定宿はできればサウナ付きのホテルとしたいが、そこでいかんともしがたい、サウナ内や浴場でのBGM問題がたびたび勃発する。

まずはサウナ内のお話。僕の定宿ではハワイアンかカントリー/フォークが流れている。嫌ではないのだが、気になってしかたがない。テレビがある場合ならまだ諦めは容易である。と思いきや、いや待てよ、今のは少し違うような気が…タイ旅行の番組のBGMがボブ・マーリーか…わからないでもないが、タイにふさわしいBGMはなんだろうとたちまち考え始めてしまう始末!

いざ、ととのい椅子へ。POPバラードミュージックのカラオケのようなBGMは思わず脳内で歌ってしまう。大抵の場合、耳栓も忘れてきている。

定宿にて。毎回そろそろ変わっている頃かな?と思いながら重い扉を開ける。うーむ、微妙に変わってはいるが傾向は同じである。もう10回以上泊まっているので、ただのおせっかいだとわかってはいるけれど、今度こそチェックアウトの時に「サウナなんですけれど、何らかのアンビエント系の音楽だとより良いと思います。」などと言ってみようかと意気込むのだが、脳自体はデフラグされているのか、翌朝にはスッキリすっかり忘れている。

身体は正直でトトノッタ、ということにしておこう。ま、まぁええがい。。